濃密な時空を味わう(その1)
「祭りとは、ときを選んで、訪れた神と人々交渉する濃密な時空といえようか」
こんな一節を目にした時、胸がきゅんとなったのは何故でしょう?
それは、私がその時空と呼ばれた空気を、ほんの少しだけ味わったせいかも知れません
旧暦の霜月の冬…しかも山深い里の寒さは厳しい
でもその寒さのおかげで、空気が澄み、山々は美しい姿を見せてくれます
昨年の12月、私は南信濃の「霜月祭り」をはじめて観に出かけました
場所は、遠山郷上村の里のひとつ下栗の里・拾五社大明神…南アルプスを背に空に浮かぶように立った小さな社
山深い谷に日が射し込む時間が短くなり、あらゆる命の力が弱まり始める季節に、生命の母たる八百万の神々を迎えて、力の蘇りを願おうという祭りです
土地の氏神の社の土間に火を起こし、大きな釜を掛け、その真上に天井から神々君臨の座を象徴する様々な紙飾りのついた四角い木枠(湯の上、神座(かむくら))を吊り下げ、そこへ氏神を始めとする諸国の神々を呼び寄せ、神々の霊気の宿った〈湯〉によって禊ぎをするものです。人々は自然を畏れ、そのたくみな実りに感謝し、願いをかけてこの霜月祭りを受け継ぎ、生活を謡いあげてきたのです
神に湯を立ててささげ敬い、森羅万象、自然の精霊を祀り、神聖な湯を浴びることで魂の再生をはかるとともに万物を鎮めて新たな年を迎えるもの
この祭りは、人々の暮らしに深く根付いた祭りで、この神楽行事は、こうした信仰と暮らしに裏うちされ、重要無形民俗芸能として脈々と生き続けているものです
(以上は、「かみむらの霜月祭り」という上村教育委員会発行の小冊子より抜粋したものです。この小冊子は祭りの面の画像が網羅されており、上村各地区の祭りの様子が詳しく書かれていてお奨めです!)
私は、上村の4つの部落(上町、中郷、下栗、程野)のそれぞれの社で日を変えて順に行われていくこの祭りの内、日本のチロルと呼ばれる下栗の里を訪れました
その時の様子は次のコラムで![]()







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