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2008年6月23日 (月)

天狗考その3・民俗伝承の天狗

天狗は架空の存在であるのに、庶民の中に深く溶け込んだ存在だったようです。

信仰の対象の天狗には畏怖の念を持ちながら、一方で親しみを感じる存在でもあったのです。

民俗伝承の中で、天狗にまつわる言葉が沢山残されています。その一部をご紹介すると…

  天狗倒し(山中で大木を切り倒す音がするが行ってみると何事もない)

 天狗笑い(山中で大勢の人の声や高笑いする声が聞こえる)

 天狗つぶて(大小の石がどこからともなくバラバラと飛んでくる)

 天狗ゆすり(夜、山小屋などがゆさゆさ揺れる)

 天狗火(突然現れる怪火現象)天狗の太鼓(突然起こる怪音現象)

Mo_011_2 これらの現象を天狗の仕業と信じた民衆は、それを山の神の意志と解釈し、山小屋の位置を変えたり、山の神を祀って仕事を休んだと言います。

また天狗は「天狗隠し」と言って、子供などを神隠しにあわせる怪異もなしたと伝えられています。この神隠しは、季節の変わり目の旧暦4月頃に多く、あとには履き物がきちんと揃えてあるので、それとわかるそうです。

天狗には、一定の通り道や領域があり、そこはこの世と異界の境であって、侵犯したものには怪異を持って知らせたとも言われています。この話は、宮崎駿氏のアニメ「千と千尋の神隠し」に登場するトンネルの場面を思い起こさせますね。不思議なトンネルを抜けた先に、あの異空間が出現し、そこで千尋の苦難と冒険の旅が始まったのでした。

民衆は異界の存在を信じ、天狗は自分たちと異界とをつなぐ存在だと認識していたのでしょう。一方で、天狗に関わる昔話には、子供達に騙されて宝物を奪われてしまうなどという笑話も残っており、天狗が庶民にとって愛された存在でもあったことがわかります。

 

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