神沢「おくない」田楽 30年ぶりの復活
浜松近辺の田楽系の民俗芸能としては、川名のひよんどり、寺野のひよんどり、懐山のおくないなどが有名ですが、その他に天竜区熊の南西部に位置する神沢地区、万福寺阿弥陀堂の「神沢おくない」があります。
この「神沢おくない」は、残念ながら昭和30年後半に途絶えてしまいました。その貴重な芸能を絶やさないように、昭和50年熊中郷土研究クラブが地元の古老の指導を受け、「神沢田楽」として活動を始めたのだそうです。
「ふるさとを愛し、大切にする」教育の一環として全校として取り組み、上級生が下級生に教え、伝える方式で受け継いできており、それは人口減少によって近辺4中学が合併し清竜中学校になっても今に至るまで延々と続けられているとのことです。
全校で取り組み、途切れることなく、継承活動をしているというのは本当に素晴らしいことですね。
神沢地区出身の石野重利さんは、この活動に自ら面を打って寄贈し、過去の資料を調べ「手引書」を作成、また中学校にも赴き、生徒への指導をされています。
石野さんは、学校頼みだけでの伝承活動ではいつか限界が来ると感じ、危機感を持って地域の人に取り組んでもらえるよう自主的に保存、伝承活動を始めたそうです。
ふとしたきっかけで、この石野さんと知り合い、昨日直接お話を聞いてきました。
膨大な資料をひとりで調べ作り上げ、手引書も、手書きで丁寧に、踊りのしぐさひとつひとつまで詳細に描かれており、その並々ならぬ熱意を強く感じました。
この「神沢おくない」が来年1月5日、30年ぶりの復活を果たします。
現在では「西神沢老人憩いの家」となっている、万福寺阿弥陀堂内において、中学生による田楽の舞が披露されます。記念すべきこの日には、この記録を残すべく、文化庁からも撮影に来るそうです。
石野氏は、今回の復活が「神沢おくない」の再生につながるきっかけになってくれればとおっしゃっていました。
阿弥陀堂は、寺野の三日堂(宝蔵寺観音堂)、渋川の四日堂(万福寺薬師堂)に対して五日堂を呼ばれていました。確かな文書が残っていず、その発生は定かではありませんが、少なくとも300年近くは続いていたと考えられ、もしかしたら500年以上の歴史かもしれないとのことです。
山深い里での一日限りの復活…山に響く久々の舞の調べは私たちに深い感慨をもたらしてくれそうですね。
(神沢おくないの資料の写しは、石野さんの了解のもと、私の手元にありますので、ご覧になりたい方はお申し出ください)







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