人形の安住の地…飯田
以前天竜川水系の民俗芸能を紹介したことがありますが、その中で伊那地方の人形芝居のことにも触れました。その際の記事が下記になります。
人形芝居ー黒田人形(長野・飯田)、今田人形(長野・飯田)、早稲田人形(長野・下伊那郡)、古田人形(長野・上伊那郡)など。記録上、伝承上の人形座を含めると、伊那地方には30以上も存在したという、まさに伊那は人形芝居の里と言えます。
先日安曇野に住む知人から、地元の新聞記事が送られてきました。それは人形の町である飯田市に関するものでした。飯田市では毎年「いいだ人形劇フェスタ」を開催しており、今年はその30回目を記念して「世界人形劇フェスティバル」が開かれるという内容の記事でした。
8月2日~10日までの9日間、国内はもとより、海外からもプロ劇団やアマチュア劇団、学生劇団等が参加し、現代人形劇や伝統人形芝居など、幅広いジャンルの人形劇が一堂に会するというもの。飯田市内の約150会場で、プロアマ合わせて約260劇団が約500公演を予定しているそうです。
ここ飯田市の29ある小中学校の内、クラブ活動や総合学習で人形劇を扱うのは20校以上だと言いますから、人形劇が町の文化としてしっかりと根付いていることがよくわかります。
江戸時代から300年以上続く伊那谷の人形芝居の歴史に魅せられ、東京の人形美術家として活躍する川本喜八郎氏の美術館も近年開設されたとい言います。氏の作品は、NHK人形劇「三国志」で活躍したものですから皆さんにも馴染みの深いものだと思います。この「飯田市川本喜八郎人形美術館」には氏の作品200点余を収蔵しているとのことです。
また伝統ある糸操り人形の技術を戦後復活させた「竹田人形座」の竹田扇之助さんの作品も、同市の「竹田扇之助記念国際糸操り人形館」に収蔵されています。
まさに飯田市は人形の町なのだと感嘆の声をあげずにはいられません。
長く守られてきた人形劇の歴史には悲しい出来事もありました。国選択無形民俗文化財「黒田人形」が、今も演じられる1840年(天保11)建築の人形舞台。そこで人形芝居を演じることを禁じるお触れが出ている中で上演し、3日目に藩から処罰された人々がいたそうです。
今年のフェスタのテーマは「つながっていく」。人形の縁で結ばれた人々の輪が飯田の地で広がろうとしています。長い伝統を市一丸となって守り広げていく様はうらやましさも覚えますね。
(2008年6月29日付 信濃毎日新聞 特集「列島 美術館のある風景」参考)







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