秋葉街道 2
秋葉寺 山門
庶民は白装束に身を固め,秋葉常夜燈を頼りにひたすら秋葉総本山を目指した。掛川から茶の香りをかぎながら森町へ出る。森町は次郎長一家の石松で有名だが,歴史を感じさせる静かな町である。町並みは鍵の手になっていて,車には不便だが,歩くのにいい。いかにも老舗といったお茶屋さんに寄ると,美味しいお茶を出してくれた。「この町は気のいい人ばかりでね」と女将さんがいう。茶箱が積んである横には,建て替え前のお店の写真が飾ってあった。なかなかの店構えだ。それもあってお茶を買ってしまった。
古い店ばかりかというと,ドイツ仕込みのハムやソーセージを売る店があったりする。すぐ前のお味噌屋さんの味噌がまた美味しくて,近くのお菓子屋さんの梅衣も小さな城下町によく似合う。
天浜線の森駅から一つ目の一宮駅には百々屋という蕎麦屋がある。暖簾を上げるまもなく打ち止めになってしまう。手打ちだから注文に応じきれない。
昔は,森から秋葉山までけわしい道のりだった。秋葉街道といっても人と馬が並んで歩くのがやっとで,すれ違うのもままならなかった。旅人は秋葉常夜燈を頼りに秋葉道をのぼっていったのである。
















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