日本の風土に合った真壁構造
「木」と「土」と「紙」が基本
この家も「木」と「土」と「紙」の三素材が基本となってできている。ハウスメーカーの家とは違い6ヶ月の期間を必要とした。
屋根は“いぶし瓦”(釉薬・ゆうやく を表面に塗ったものは大気を呼吸しない)。軒の直下の壁には漆喰が純白とは異なった色気のある白で塗られている。
玄関廻りは珪藻土(けいそうど)が厚く塗られ、櫛目引きで仕上げられている。瓦は、練った土を型にとり高温で焼かれ大量に生産されるが、塗り壁はあくまで手作業である。とくに櫛目は左官屋さんによって出来が違ってしまう。
なかなか引き目が揃わず難しい。塗り壁の下地はともかく、仕上げは気の合った左官職人にお願いすることになる。できれば親方一人に仕上げてもらえば、これに越したことはない。
壁の理想は、昔ながらの貫(ぬき)に竹を組み、麻縄で結んだ上に地元の土を塗り重ねたものである。土とすさ(註1)を水でよく練った上で何日も寝かし、粗塗り中塗り仕上げと乾燥を確認しながら1年以上かけて仕上げていったものである。時間はかかったが3代100年の耐久力を考えればなんのことはない。
今のように流通も発達せず石油もない時代、全ての素材が地産地消であり住まいも例外ではなかった。子供時代を過ごした遠州浜松でも小学校へ行く途中、後に山、南に田を見下ろす坂の途中に松を燃やす、それも黒々とした煙を出す瓦焼きの窯があったのを想い出す。のどかなものである。








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