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2008年4月

2008年4月 8日 (火)

緑の中の親子

  Photo                                                       春の丘の緑がまぶしい。風が光り,木々が笑っている。丘の坂道を三人の子供たちがはしゃぎながら登ってくる。一つの花を摘んでは跳ねて踊り出す。もう一人の子が同じ花をさがして,辺りを見渡す。その真剣な眼差し,その仕草。母親は黙って後を着いて行く。ルノアールの『草むらの坂道』に描かれている情景を思い出していた。初夏の緑の中で,花のように揺れているあの赤いパラソル。
 わたしは丘を下る。しばらくして振り返ると,子供たちの声が風に乗って,ずいぶん高いところから聞こえてきた。緑の中の親子は,何であんなに幸せそうに見えるのだろう。
                 *
 人が緑の中で安らぐのは,植物が光合成を行った38億年前の記憶がささやきかけているからだ。ひとはもともと木の上に暮らしていたのだから,森に分け入って行くとワクワクするのは当然だ。森に妖精が住んでいても,不思議なことではない。
 宮澤賢治は,お話を林や野原や鉄道線路やらで,虹や月明かりからもらったというし,聴力を失ったベートーベンが作曲できたのも,森のインスピレーションによるという。
 木が発する化学物質フィトンチッドが,グリーンシャワーとなって降り注いでいたからに違いない。
 
  空を映すのは,水を張った田んぼ。畦にたたずむ親子がいる。女の子が魔法瓶を抱えるようにして,少し背伸びしながら,お母さんにお茶を注いでいた。お母さんはしあわせそうにみえた。腰に手を当てて,だまって湯飲みを差し出していただけだったが。
 あの子が,すっかり大人になって都会暮らしをするようになっても,お茶を持って,母の元に帰るだろう。なつかしのグリーングリーン グラス オブ ホームへ。
    

           思い出のグリーングラス
 
   汽車から降りた小さな駅 帰った私を迎えてくれた
   思い出のグリーングリーン グラス オブ ホーム

 『グリーングリーングラスオブホーム』は、都会暮らしに疲れた娘が、故郷の母の元に帰ってくる歌である。夢に破れて傷ついた彼女を緑の草原は、限りなくやさしく迎えてく
れるだろう。
緑の中で、人は大地のゆりかごに揺られながら、いつも心を癒している。

2008年4月 7日 (月)

森を守るために

先日、アルピニストの野口氏のエベレスト清掃登山についての記事を目にしました。

それは、現在のチベットの憂うべき事態によってか、オリンピックの聖火登山のためか、チベット側からの登山の許可が中国政府から出されなかったというものでした。

今回の政治的な問題は別として、ゴミが捨てられているというエベレストを悲しく想います。

我が国の富士山にも沢山のゴミが捨てられているようですが、あのアルピニストの夢の山…世界に誇るべきエベレストでも同様のことが起きていたという事実に驚かされます。

山を愛する人たちがどうしてこういうことができるのでしょうかsign03

しかもそのゴミの中には某日本登山隊が残したものが少なくなかったといいます。

道ができて便利になると…素晴らしい景観を車で観られるようになります。

その気軽さで、自然をいとも簡単に汚していく人がいるのです。

私たちの住む村や町の山や森はどうでしょう?

深くて厳しい環境にある場所が、かろうじて難を逃れているだけなのでしょう。

野口氏のエベレスト清掃登山は今回が最後になるといいますが、彼はこの登山の目的をこう述べています。

 「世界の最高峰エベレストを美しく蘇らせることが、アジア全体の環境に対する意識改革に繋がれば」と…。

森を守る、山を守る…このためには私たちの意識を変えること、私たちの後に続く子供たちに自然の大切さを教えていくことがいかに大切なことかsign01

清掃活動などしなくてもいい時代がくるように、美しい森や山を蘇らせるために、小さな力を集めて、大きな力に変えていきたいと思います。

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