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森の声

2009年8月31日 (月)

木のふたつの命

Biwako3 少し前に、琵琶湖畔に建つ「佐川美術館」に出かけました。

その美術館はまわりに水がたたえられ、あたかも「水に浮かぶ美術館」のようでした。

その他敷地の中に、千家十職の一門である楽家が設計した茶室があります。その茶室もまた水に浮かぶがごとく建っていました。  

  

Biwako5 水の下に作られた地下の道をくぐっていくのですが、頭上の水が光で揺らめいて、その揺らめきが地下にほのかに射す様はえもいわれぬ幻想的なものでした。

途中に設けられた地下の待合室のテーブルは、大きなタガヤサンの木がそのまま天板として使われていました。自然に割れが入っており、それをそのまま無造作に見せていました。

この天板を見たとき、思い出した言葉

木にはふたつの命がある」…奈良の宮大工の棟梁の西岡氏の言葉です。

「木には地面に根ざしている時の命と、伐採されて建材として役立つ命と、ふたつの命がある」「山のどの斜面にどう育ってきたか、木の素性を見て、大寺院のどの部分に使うのか判断するのが、棟梁の仕事なんだ」

割れ目が入ったタガヤサンの木は、異国のどんな場所でどんな風に育ってきたのでしょう?まさにもうひとつの命を得て、輝く存在となっているこの木を、何故かとても誇らしく思えた時間を過ごせました。

2008年10月10日 (金)

秋の春埜山へ

山の秋はどこか寂しげ…山里や森を照らす日差しもやわらかです。

そんな一日春埜山へ足を伸ばしてみました。

Shingu2 平日ということで、途中立ち寄った新宮池も、静かな湖面にあたりの風景をくっきり映し、静かなたたずまい。                                             

                                                               

                                         

                                      

                                            

                                         

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物言わぬ狛犬だけがその静けさの中で強い存在感を示していました。                               

                                   

                

            

                                                                      

          

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春埜杉はなんど訪れてもその存在感に圧倒されます。こんな森の奥に1300年も生き、いまだに強い生命力を持ったまま存在している現実に驚かされます。

この杉の存在をもっと知ってほしい…そう思えてなりません。 

 

 

 

 

 

                                                            

                                                       

                                               

Img_1420

 

古の人はここ春埜山をどういう想いで参り、この神木に対面してどれほどの力をもらったことでしょう。

古から今へ、そして未来へ…語り継ぎ大事に守っていきたい風景です。

2008年7月28日 (月)

山が壊れると失われていくもの

「サシバ」という夏鳥をご存知でしょうか?

本州から九州にかけての広い範囲に夏鳥として飛来し繁殖する鳥なのだそうです。町に住む私には初めて聞く名前の鳥でした。

P39b 先日、この里山のシンボル「サシバ」が現在絶滅の危機にあるという記事を読みました。この鳥が好んで巣をつくるのは山と水田が隣接した里山です。子育ての初期は、カエルやヘビを水田のあぜ道などで捕らえるそうです。

サンバの減少の原因は、10年ほど前は開発が主な原因だったのが、最近は水田の耕作放棄地の増加によるものが大きくなっているそうです。耕作放棄地は、乾燥し、草が生い茂り、サシバのエサ場として利用できなくなってきたのです。

最近叫ばれる限界部落の増加もこれと関係のないことだとは言えないでしょう。山里に人がいなくなる、そこで暮らす人々によって営まれていた畑や田んぼも荒れ放題になる。そうするとそこで暮らす生き物たちにも大きな影響を及ぼすのです。

山が荒れると、やがては町にも大きな影響が出てくるのです。はっきりと目には見えないのに、その暗雲は確実に私たちのもとにも近づいてきています。

山を守ること、里山を守ることが、今とても大事なときだと切実に感じられた記事でした。

(7/23付朝日新聞 環境エコロジー より)

2008年6月18日 (水)

耳をすませて…

小さな頃から憧れている一本の木があります。

それは、あの「この木何の木、気になる、気になる…」というコマーシャルソングで有名な木。

実際の木は日本にはなくて、海外の南の島にあるそうですが、何年経っても、あの木の下に行ってみたい気持ちは消えることがありません。

昔、まだ冷房などなかった時代、人は大きな木の木陰で暑さをしのいだことでしょう。仕事の合間や学校の帰り、立ち寄っては一息ついて、たまたま一緒になった人と、たわいもない会話も交わしたことでしょう。木は人々の癒しの場所であり、コミュニケーションの場所でもあったのだと思います。

いまや、そんな憩いの場所を提供してくれる木は、私たちの近くにはありません。遠い山に向かってはみても、たやすく側にはいけず、その姿を遠くから仰ぎ見ることしかできないのです。

木は、いつのまにか私たちから遠い存在になってしまいました。叶わぬ夢ですが、木と触れて、物言わぬ木の声に耳をすませ、その声を聴いてみたいものです。

そんなことを歌った詩がありました。

感じる心を磨いていけば、もしかしたら、そよぐ風に混じって木の声が聴ける日が来るのかも知れませんね。

        Fs_pl1051m_3 「木」    谷川俊太郎

   木がそこに立っていることができるのは
   木が木であってしかも
   何であるかよく分からないためだ

   木を木と呼ばないと
   私は木すら書けない
   木を木と呼んでしまうと
   私は木しか書けない

   でも木は
   いつも木という言葉以上のものだ
   或る朝私がほんとうの木に触れたことは
   永遠の謎なのだ

   木を見ると
   木はその梢で私に空をさし示す
   木を見ると

   木はその落葉で私に大地を教える
   木を見ると
   木から世界がほぐれてくる

   木は伐られる
   木は削られる
   木は刻まれる
   木は塗られる
   人間の手が触れれば触れるほど

   木はかたくなに木になってゆく

   人々はいくつものちがった名を木に与え
   それなのに

   木はひとつも言葉をもっていない
   けれど木が微風にさやぐ時
   隅々で
   人々はただひとつの音に耳をすます
   ただひとつの世界に音をすます

2008年4月 7日 (月)

森を守るために

先日、アルピニストの野口氏のエベレスト清掃登山についての記事を目にしました。

それは、現在のチベットの憂うべき事態によってか、オリンピックの聖火登山のためか、チベット側からの登山の許可が中国政府から出されなかったというものでした。

今回の政治的な問題は別として、ゴミが捨てられているというエベレストを悲しく想います。

我が国の富士山にも沢山のゴミが捨てられているようですが、あのアルピニストの夢の山…世界に誇るべきエベレストでも同様のことが起きていたという事実に驚かされます。

山を愛する人たちがどうしてこういうことができるのでしょうかsign03

しかもそのゴミの中には某日本登山隊が残したものが少なくなかったといいます。

道ができて便利になると…素晴らしい景観を車で観られるようになります。

その気軽さで、自然をいとも簡単に汚していく人がいるのです。

私たちの住む村や町の山や森はどうでしょう?

深くて厳しい環境にある場所が、かろうじて難を逃れているだけなのでしょう。

野口氏のエベレスト清掃登山は今回が最後になるといいますが、彼はこの登山の目的をこう述べています。

 「世界の最高峰エベレストを美しく蘇らせることが、アジア全体の環境に対する意識改革に繋がれば」と…。

森を守る、山を守る…このためには私たちの意識を変えること、私たちの後に続く子供たちに自然の大切さを教えていくことがいかに大切なことかsign01

清掃活動などしなくてもいい時代がくるように、美しい森や山を蘇らせるために、小さな力を集めて、大きな力に変えていきたいと思います。

2008年3月12日 (水)

セラピーの森

高校時代冨士の樹海近くを旅しました

何人ものひとを深い森の中へ吸い込んでいるというその暗い樹海

入り込む勇気はなくて、外からこわごわ眺めていました

森は怖いものだと…その時思いました

でも時が経ち、その怖さは懐かしさに変わっています

心に深い傷を負った人たちを森は癒してくれるのだと…そう実感しています

田口ランディさんの本の中にこんな一節を見つけました

 森へはいると、まず深呼吸をする。Forest_2

 うす緑色のくうきを胸いっぱいすいこんで、そしてはきだす。

 からだのなかにつまったいろんな思いも、いっしょにはきだす。

 おかえり、よく来たね。

 そう言って、森の木々は葉を揺らす。

 悲しい思いを浄化して、清々しい酸素に変えてくれる。

 もっとたくさん、はきだしていいんだよ。

 すって、はいて、すって、はいて。

 わたしは呼吸で、森とつながっている。

           (田口ランディ「いつか森で会う日まで」より)

いろいろなことが私たちの心を疲労させ、そして時に傷つくことさえあります

大人だけでなく小さな子供たちの心も不安定に揺れています

癒しの森が近くにあったら、安心して迷い込める森があったら

どんなにいいでしょう…そう思いませんか?

2008年3月 3日 (月)

夢の森への試み

Eyes0296_3 最近某新聞の日曜版の中の「仕事力」という欄を楽しみに読んでいます

ここ4週間の執筆者は、私の屋久島への憧れのきっかけとなったC・Wニコル氏

森の再生の必要性、森が育てる心などについて、飾らないことばで語りかけてくれています

今回のコラムは主に「生きている森は子供の閉じた心を開く」という内容でした

純粋で無垢な子供たちは、かつてあちこちで元気な声をあげていたはずです

それがどうしたことでしょう?日本が豊かになればなるほど、様々な形で傷つき、病み、心が固く閉じられてしまっている子供たちが多くなってきています

そんな子供たちの心を再び開かせる、素敵な森を作ろうという呼びかけです

「日本の森を再び野生動物の住める豊かな森にしたい」という強い願いを持って活動している氏の言葉は大変説得力のあるものです

氏は長野県黒姫で、「C・W ニコル・アファンの森」という財団を立ちあげ、「アフォンの森」という小さな森を育てています

この小さな森は、たくさんの人の努力で確かに変わっていっているようですごいなあと思いました

「この小さな森と同じことが日本中の森で起きてほしい。100年後にどんな森になっているのかが大変楽しみだ。」とは氏の言葉です

財団のサイトを覗いてみてくださいgoodhttp://www.afan.or.jp/

夢の森を垣間見ることができますよ

そしてそれが現実になっている様子を見ると

私たちも、私たちの近くの森を蘇らせるためにがんばらねばと力をもらえます

2008年2月20日 (水)

太古の昔から生きてきた杉

Jyoumon9 屋久島での目的はもちろんあの「縄文杉」に会いにいくこと

遠い島まで行って、つらい思いをして何故「一本の木」を目指すの?って不思議がられました

そう言ってる人も是非一度会いに行ってきてください

人間の長い歴史を…自然の移り変わりを…奥深い森の中で、じっと黙ってみつめて生きてきた木です

Jyoumonrindou3 長い長いトロッコ道を何時間も歩き、途中には、かつては学校や役場や郵便局があったという山里跡があり、そんな林業で盛んだった頃のこの山で生きていた人々の生活を想像しながら、ひたすら一本の木を目指します

Jyoumon6 途中で出会う木も、「縄文杉ってこれよりすごい木なの?」って疑いたくなるほど、素晴らしい大木ばかりでした

雨の多い屋久島の山道は、霧雨が降り、一層幻想的な雰囲気を醸し出していました

お昼頃やっと到着したその場所に「縄文杉」の姿

心ない旅行客によって傷つけられたために、守られて周りから見ることしかできません

その木肌に触って古代の声を聞きたかったのに…でもとっても感動しました

思わず涙を流してしまった私です

物言わぬ杉の大木は、沢山のことを教えてくれた気がします

Jyoumon17

私たちの町の近く…春野の山…春杢山にも樹齢1350年と言われる神代杉があるそうです

日本の森はヨーロッパのように平地にはないから、気軽には会いに行けません

だから…ちょっと足を伸ばして、太古の声を聞きに出かけましょう

縄文杉への道のりは片道5時間…一日がかりの逢瀬です

山深い場所にあるから、皆で一生懸命守っているから、彼ら(屋久島杉)はこれからも生きていくのだと思います

(画像は2006.9月に屋久島に旅した時のものです

気が向きましたら、こちらも私の拙HPの「屋久島旅行記」でお楽しみください)

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