浜松情報 第435号掲載
ニュース・フラッシュ
NPO法人 雲を耕す会の活動
山間部、林業、と聞くとイメージはどうだろう?弊誌でも取り上げてきた通り、衰退、過疎化、後継者不足と不の要因が連想され、具体的な打開策も見いだされずにいる。しかしこれを変えていこうという動きがある。企業参入も視野に入れた新しい山間部の新たな動きを追った。
疎からの脱過出に向けて無視できない現状と未来…
林業復興へ企業参入が鍵

補助金に頼らない山間部の間伐や古民家の再生など里山を守る仕組みづくりを提唱していこうと、山の好きな人たちが集まって立ち上げたNPO法人「雲を耕す会」(理事長の大村弘司さん・写真)の活動が注目されている。
「雲を耕す会」の名の由来は、道元の「釣月耕雲(ちょうげつこうげつこううん)」からきており「月を釣り、雲を耕す」つまり、雲を耕すというのは海上で発生した雲が循環して山に水をもたらし、天竜美林を育ててきたことに由来する。
地球温暖化の防止に向けて、森林の果たす役割に大きな期待が寄せられている今、元々農山村がもつ自然生態系の回復を図って、天竜地域等の人々自らが中心となって自然環境の大切さを知り、保全活動、地域の経済活性化を目指して、事業を主体的に実践、啓蒙し、持続可能な循環型地域社会の構築を目指すことを目的とし活動しているという。
対策の現状と問題点

現在も、行政は林業の再生のために、一般消費者向けには住宅への県産材使用を促進するためのキャンペーンを行い毎年好評だ。また、企業に向けて、CSR(企業の社会的責任)を天竜山間部に向けて実施してもらえるよう啓発するなど積極的に動いてはいる。しかし残念ながら林業従事者や地域住民、浜松市中心部の企業との考え方の違いからくる溝は思いがけなく深く参入のための直接的な窓口が無いというような問題は多く実際に形になりにくいのが現状である。
具体的には、まず「間伐」が必要だという。自然林と違い人間が植樹をした天竜林は手入れが不可欠。林業の衰退と過疎化によって、間伐がされていないのは異常事態ともいえる。間伐をすることで木の成長を促し、木材の供給をはかることは勿論、山自体を明るくし、植物を茂らせ、山の保水力も高まって災害の防止にも有効だ。
現在同会では、山主の了解を得て、天竜区の十町歩地区の間伐を行っており、間伐から木材を製品にするまでのモデルケースを実行中。これを一つの形にして一般に広くPRしていく予定だという。
「NPO」と言うと、どうしても補助金を引っ張るために設立したのではないか?具体的に何をやっているかわからない…と言うような悪いイメージがついてしまいがちだが、同会が目指すのはズバリ「間伐事業を補助金を当てにせず推進させ、一つの産業として自立させること」だという。今後も積極的に間伐の必要性を訴え、形にするために動いていく予定だ。
大村理事長は「経営感覚の鋭い民間企業の方々に参入してもらうには、環境保護という聞こえの良い言葉でボランティアだけを訴えていては始まらないと思います。例え今は先行投資でも、将来的には明確なメリット、つまり利益がいくら出る事業なのかを提示していく事が必要だと思います」と話す。
こうした動きは、山間部の過疎化の抑制、林業の再生に向け浜松発で日本のモデルケースともなりうる可能性を秘めている。我々がノックすべき入り口として大いに期待できそうだ。









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