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2008年4月 7日 (月)

バラーダ

36 ルーマニアの夜、バラーダの哀切なメロディーが流れる。ヴァイオリンの甘い響きがいっそう郷愁を誘う。この曲には思い入れがあった。13年前、ラジオ・フリー・ヨーロッパはバラーダで放送開始を告げ、圧政下に打ちひしがれていた人々の心を和らげていった。やがて民衆の心から心へ、バラーダは燎原の火のように広がり始めた。ルーマニア革命の序曲。
作曲者ポルンベスク(1853~1883)は、短い生涯で200を越す曲を作った。その中に、ひとつだけ不協和音の散らばる奇妙な曲を残した。『100年後の愛しき羊たちへ』というタイトルは、何を伝えようとしたのか、まったく謎であった。
 最近になって、バラーダと謎の曲の譜面を重ねあわせると、「殺されたことについは誰にも言うな」という言葉が隠されていたことが判明した。ルーマニアの古謡『ミオリッツア』の一節を、楽譜によって言語化していたのだ。ポルンベスクは、100年の時を越えてルーマニアの人々にメッセージを送っていた。『百年の預言』(高樹のぶ子)
85  セクリターテの盗聴をかいくぐって、バラーダは暗号文として、革命に立ち上がる人々に伝えられた。美しい鉄砲の弾が、ルーマニアの街を、丘を駆け巡った。人々は、憂い嘆く涙の果てに、失われた時代の回復を希求してやまなかった。バラーダは、革命の鍵を握っていた。
ルーマニアの夜、バラーダの哀切なメロディーが流れる。ヴァイオリンの甘い響きがいっそう郷愁を誘う。この曲には思い入れがあった。13年前、ラジオ・フリー・ヨーロッパはバラーダで放送開始を告げ、圧政下に打ちひしがれていた人々の心を和らげていった。やがて民衆の心から心へ、バラーダは燎原の火のように広がり始めた。ルーマニア革命の序曲。
作曲者ポルンベスク(1853~1883)は、短い生涯で200を越す曲を作った。その中に、ひとつだけ不協和音の散らばる奇妙な曲を残した。『100年後の愛しき羊たちへ』というタイトルは、何を伝えようとしたのか、まったく謎であった。
 最近になって、バラーダと謎の曲の譜面を重ねあわせると、「殺されたことについは誰にも言うな」という言葉が隠されていたことが判明した。ルーマニアの古謡『ミオリッツア』の一節を、楽譜によって言語化していたのだ。ポルンベスクは、100年の時を越えてルーマニアの人々にメッセージを送っていた。『百年の預言』(高樹のぶ子)
 セクリターテの盗聴をかいくぐって、バラーダは暗号文として、革命に立ち上がる人々に伝えられた。美しい鉄砲の弾が、ルーマニアの街を、丘を駆け巡った。人々は、憂い嘆く涙の果てに、失われた時代の回復を希求してやまなかった。バラーダは、革命の鍵を握っていた。

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