マスタープラン

団体組織

  • NPO法人
    (特定非営利活動法人)
    雲を耕す会

    (事務局)
    〒431-3314
    静岡県浜松市天竜区
    二俣町二俣979-1
    TEL/FAX 
    053-925-2792

« ラッコ | メイン | 結婚式 »

2008年4月 7日 (月)

ルーマニア 木の教会

25  ラダウツィからトランシルヴァニアへ向かう。トランシルヴァニアの響きがいい。遥か彼方を感じさせる。カントリーロード、緑に埋まる村、煙突から煙棚引き、キャベツ売りの少女が牛をひいて行く。もうぼくは、ほとんど涙ぐんでしまった。そのうちに空まで泣き出してきた。もらい泣きかもしれない。
 清澄な川がずっとお供をしてついてくる。バスが行くほどに森は深まり、樅の樹が雨にけぶる。冬の季節ならば、みなクリスマスツリーになるだろう。
 やっとプリスロープ峠に着いた。標高2004m、道祖神が雨の中に立っていた。牛が一頭、モォーと出迎えてくれた。霧の間にトランシルヴァニアの山々が見渡せる。マラムレッシュはあの向うらしい。なんという僻地なのだ。水窪の兵越峠を越えた遠山郷みたいだ。山道を延々と走り、やっとの思いで、ボクダン・ヴォーダの木の教会に着いた。
 柿葺きの急な屋根が鱗のようだ。ハンガリーが支配していたころ、石の教会は立派すぎるからだめだといわれて、やむなく樅の樹で教会を建てたという。それでよかった。こんなにもやさしく高貴に満ちた教会が、丘の上にいくつも残ったのだから。
 教会の木肌は、400年の歳月にさらされて銀色に底光りし、日本の古いお寺を見ているようだ。釘を一本も使わず、木組みによって建てられているのも、法隆寺や薬師寺みたいでいい。塔が、空に突き抜けんばかりにすっくと立ちあがって、樅の木のよう。裳腰に当たる屋根が、ひろやかに庇を延ばしている。のっぽの教会は、どこからでも仰ぎ見ることができる。村のランドマークだ。村人は、朝な夕なに、鐘の音を聞き、祈りを捧げる。

トラックバック

このページのトラックバックURL:
http://cms.beblog.jp/t/trackback/306903/12263908

このページへのトラックバック一覧 ルーマニア 木の教会:

コメント

コメントを投稿