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2010年7月20日 (火)

ブータンの森 2

60_2 ブータンの人々のほとんどは、照葉樹林帯(1000m~2500m)に住んでいる。鎮守の森にすっぽり覆われているようなものだ。照葉樹林帯の西の端がブータン、東の外れが三遠南信。今や、まるいモコモコした森は、春の装いに燃え立ち、生命力にあふれている。ワラビ、ゼンマイ、テンナンショウ、ウラジロを見つけて、ホントに三遠南信と続いているのだなあと思った。秋にはシイや栃の実を降らせることだろう。板葺き屋根に石を乗せた風景は、伊那谷を歩いているみたいだ。
黒ずんだ畑は焼畑のあとにちがいない。焼畑(シフト・カルチベート)は自然破壊につながるからと、最近あまり行われなくなった。焼畑は山間地にあって、サトイモ、蕎麦、豆などをもたらし、照葉樹林文化の根幹を成していた。  山菜、木の実、キノコなどを採り、竹篭、ザル、すげ傘、曲げワッパ等を作り、ブータニーズは森の民だ。日本では伝統工芸になってしまったものが、暮らしの中で生きている。
タシヤンツェでお椀を制作している人がいた。一人がろくろをまわし、もう一人が木を削る。塗りは数回しかやらないが、朱や黄色の素朴な色合いがいい。紙漉きも川に沿った奥の村でやっていた。楮を水に溶かして簀の子ですくい、そのまま乾かすだけ。工程はきわめて簡単だ。ごわごわした和紙をどのように使うのだろう。
漆器も和紙も、照葉樹林文化に位置づけられる。それと絹織物。天蚕も森のどこかにたくさんいるらしい。タシガンで軽くてふんわりした絹織物を見た。日本の場合繭をお湯につけて糸取りをするが、ブータンでは蛾になるまで待つ。殺生はいけない。したがって一本の生糸にはならず、ぶち切りの糸しか取れない。糸をつなぐのにたいそう面倒だが、手間ひまかけて織っていく。
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  着道 楽といわれるブータン女性はチェチュ祭に総絹のキラを着て、目も文にお出ましになる。木綿もまた手が込んでいて、色鮮やかな細かい模様に織り上げる。草木染の色は無限だ。

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